今日の年間第3主日は「神のことばの主日」と呼ばれています。この主日は、ラテン語訳聖書を翻訳した聖ヒエロニモの帰天1600年を機に2019年に教皇フランシスコによって制定されました。

ヒエロニモという人物は、古代教会のラテン教父の一人ですが、彼の功績は聖書をヘブライ語からラテン語に翻訳したブルガタ訳聖書を完成したことです。
他方、ヒエロニモが人として素晴らしいのは、豊かな才能を持ちながら、それを自分の功績や満足のために用いたのではなく、神と教会のために存分に発揮し、活かした点にあると思います。それは彼が修道生活に入ることを望み、隠遁生活をしながらラテン語訳聖書を完成させたからです。ですから、きっとヒエロニモは、つねに神への祈りをもって、聖書の翻訳に専念していたと思います。
このような生き方は、私たちも模範としなければならないでしょう。それは私たちの行うことが正しいものとなるためです。ですから、どんな良いことをするにしても、ヒエロニモのように、つねに祈って行う必要があるのではないかと思います。

私たちは、教会の集まりや活動をするときなどよく祈って始めます。それは単に神が助けてくださるように願うだけでなく、その行為が〝神の働き″となるためです。祈らなければ、私たちの思いだけが先行して、私の計画、私の行いといったようにいつも自分の働きであるかのように思い込み、本当の意味で、教会や人のために貢献することはできないのではないでしょうか。
「神のことばの主日」にあたって、私たちがみことばを人に伝えるときにも、常に、祈りをもって神の働きを願ってまいりましょう。

主任司祭 西本裕二

LINEで送る