主のご復活おめでとうございます。
復活徹夜祭のミサで、5人の方々が洗礼を受けられました。これから都筑教会に新しい仲間が加わります。教会共同体として共に喜びましょう。
伝統として復活徹夜祭に「洗礼式」が行われます。キリストの復活の神秘に与り、新たな命に生まれ変わるという意味において、キリストの死から復活への過ぎ越しを記念する復活徹夜祭は、洗礼の秘跡を受けるのに最もふさわしい時であると初代教会から考えられてきました。
毎年、洗礼を受けられる方々を見ますと、皆さん、緊張している一方、期待をのぞかせているように思います。確かに洗礼式は、大勢の信徒の皆さんに見守られている中で行われるために緊張するのは当然でしょう。それと同時に皆さん長い準備をされて洗礼を受けられるので、これからの歩みにおいて、様々な期待をもっていると思います。
私自身、成人洗礼でしたので、洗礼式はどのような気持ちであったかを思い起こしてみますと、やはり緊張していたように思います。その一方、純粋に洗礼というものを受け止めていましたので、やはり期待をもっていました。
ただ今でもその純粋な気持ちで自分の洗礼を受け止めているかと言いますと、そうでもないように思います。それは洗礼を受けたことを当たり前のようにとらえ、信者として感謝や喜びをもって生きていないところがあるからです。
「初心にかえる」という言葉がありますが、私は座右の銘にしています。信者になって40年を過ぎましたが、洗礼を受けた頃の純粋な気持ちであった自分に、常に立ち戻って、キリストを求めて生きなければと考えています。そんな中で気をつけなければならないと思っていることがあります。それは「慣れてしまう」ことです。「信者として慣れる」「教会に行くことに慣れる」「司祭職に慣れる」など慣れることは決して悪いことではありませんが、慣れすぎると、いい加減な気持ちになり、慢心してしまいがちです。そしてそのような状態にあっては、キリスト者として、なかなか成長できないでしょう。ですから復活徹夜祭のミサの中で、信者全員が「洗礼の更新の約束」をします。これは初心にかえる良い機会です。私もそうですが、信徒の皆さんも、洗礼を受けられる方々の姿を見て、初心にかえって、自分の洗礼の約束を新たに致しましょう。
参照「VATICAN NEWS 2024年の復活徹夜祭」
主任司祭 西本裕二