復活節第2主日は、以前、「白衣の主日」と呼ばれていましたが、ヨハネ・パウロ2世教皇によって、2000年のミレニアムの際、ポーランド出身のシスター聖ファウスティナ・コヴァルスカにあやかって、「神のいつくしみの主日」となりました。

今日の福音で読まれるのは毎年同じ箇所で、不信仰な使徒トマスの話です。最初に復活したイエスが使徒たちに現れたとき、トマスだけが居合わせませんでした。それでトマスはイエスの傷跡に触れなければ決して信じないと言いました。ところが復活の8日後に、イエスがトマスの前に現れ、槍で刺し貫かれたご自分の傷跡に指を入れるように言います。それによって使徒トマスは復活したイエスを信じたのです。このイエスのやり方は、ご自分の体に触れさせることで、使徒トマスに〝限りない神のいつくしみ″を示そうとしたのではないかと思います。この出来事にも「いつくしみの主日」の由来があるように思えます。

現代の不信仰な私たちにイエスが現れて、トマスのようにご自分の体を見せ、触れさせてくださることはないでしょう。しかし、私たちには「ご聖体」があります。ご聖体こそ、神のいつくしみの現れではないでしょうか。直接、私たちがキリストを口で受け、それを食べることができます。それでイエスはいつくしみを示そうとしています。
そして私たちのうちで生きようとする復活したキリストは、私たちが自分のうちに留まることなく、キリストの手足となって、この世界に神のいつくしみを広げていくことを求めています。
ですから、私たちはその恵みにこたえて、使徒たちのようにキリストへのあつい信仰をもって、復活の証人となるように致しましょう。

引用「カトリック名古屋教区-福音のひびき-神のいつくしみの主日(半田教会ジェブーラ神父)」

主任司祭 西本裕二