教皇フランシスコが4月21日に逝去され、その同じ週の4月26日にバチカンで各国元首や信者など多くの方々が参列して葬儀が行われました。そしてこの葬儀のすぐ後、5月7日から新教皇選出選挙(コンクラーベ)が開催されました。

この選挙の前に日本のマスコミがバチカンにいる3人の枢機卿たちに「誰が新教皇に選ばれるか」というインタビューをしているニュースがありました。マスコミは、有力候補など名前をあげていましたが、一人の枢機卿は「神が決めてくれます」と答え、もう一人の方は「ふさわしい方を神が選んでくださるでしょう」と答え、そしてさらに三人目の方は、「神にお任せしています」と答えていました。つまり3人とも新教皇になる方は、〝神が選ばれる″といっているように「信仰の心」で受け止めているということがあらためて分かりました。
一般には、「次の教皇はだれなのか」といったように単に興味本位で関心を持っている方が多いかと思います。気をつけないと私たちカトリック信者も興味本位に留まってしまうかもしれません。けれども私たちは信仰の心で新しい教皇を迎えなければならないと思います。

タイムリーに『教皇選挙』という映画が上映されています。この映画ではフィクションとして保守派とリベラル派の思惑や葛藤が生々しく描かれている作品のようですが、今回の教皇選挙でも実際に保守派とリベラル派といった枢機卿たちがいて、それぞれの思惑があると思います。もちろん伝統を重んじることも大事で否定する必要はありませんが、常に時代は未来に向かっています。教皇フランシスコは、時代に応じた社会の変遷に対応できる柔軟性がありました。次の教皇にもそれが求められるのではないでしょうか。

ついに5月8日、4回目の投票で、アメリカ出身でペルーにおいて、長く働かれたロバート・フランシス・プレヴォスト枢機卿が新教皇レオ14世として選出されました。教会にとって大きな喜びです。教皇レオ14世はバルコニーに姿を見せて、最初のメッセージとして、多くの信者らを前に「つねに平和と愛を求め、苦しんでいる人々に寄り添う教会でありたい」という言葉を発信されました。神が選ばれた教皇として、私たちは信仰の心で受け止め、そして教皇と共に、柔軟性をもって、現代社会にあって〝苦しんでいる人々に寄り添う教会″を目指してまいりましょう。


主任司祭 西本裕二