今日、3名の可愛い子どもたちが初聖体を祝います。初聖体と言えば、パブロ・ピカソの描いた『初聖体拝領』という宗教絵画がありますが、私はそこに描かれている白いドレスを着た祈る少女の姿を思い浮かべます。
それはその少女の姿が見る人を惹きつけるかのように、驚くほど写実的に描かれているからです。それもピカソが14歳という若さで描いたとは思えないほど完成度の高い作品です。彼の天才ぶりがうかがえます。そしてこの作品はピカソの体験をもとに描いたと言われていますので、彼自身の家族観やキリストとの関係など宗教観が反映されているものと言えます。
ピカソは7歳で初聖体を体験しています。幼い頃ではありましたが、とても強い印象を受けて、彼の心に良いものとして残っていたのではないでしょうか。それだけ初聖体という出来事は、受ける子どもたちの心に深く残るものだと思います。

今日のミサで、初聖体を受ける子どもたちもきっとそれぞれの思いで、この体験を受け止めるでしょう。そしてそれが大人になったとき、自分の信仰に結びついてくれたらありがたいです。
大人もこのような宗教体験は大事です。私自身、成人洗礼ではありましたが、洗礼式のときに、初めて聖体を拝領したときのことは、今でも印象深く残っています。その為、そのときの純粋な思いで、つねに聖体を頂けたらと考えています。そして機械的に毎日、それもあたかも惰性のように聖体を頂いてしまわないように気をつけなければいけないと思っています。

大人の信者の皆さんも、初聖体を受ける子どものように、聖体に現存されるキリストへの畏敬の念をもって、希望と喜びのうちに、ミサにあずかり、聖体を拝領するように致しましょう。
主任司祭 西本裕二