「キリスト教は愛の宗教といわれるのに、どうしてあなた方は教派間でそんなに悪口を言いあうのですか ?」
「唯一の神を信じ、キリストを唯一の主と礼拝しながら、何故、分裂しているのですか」
以上の問いは、19世紀、大挙してアジア・アフリカに宣教活動に赴いたカトリック、プロテスタントの宣教者たちが布教地の方々から浴びせられた厳しい質問や疑問でした。
たしかに、布教地の人にとってみれば、自分が入った学校、近くにできた教会や日曜学校がたまたまカトリックだった、あるいはルター派、改革派、聖公会、バプティスト派であったから、その教会と縁ができ、洗礼を受け、その教派の信徒になったということがほとんどであったわけです。新旧両派や正教との違いを比較研究し、こちらこそ正しいと確信して、門をたたいたという例は少数派でしょう。
同じアッバである神を信じ、同じ救い主キリストを主とあがめ、同じ信条をもちながら、分裂し、おたがいに非難や悪口を言い合っている状況は全く証にならない、実にまずいことだ、宣教の大きな妨げとなっているという認識と反省がカトリック、プロテスタント両方で深まっていきます。
この宣教師たちの苦い体験は、やがて“教会一致推進運動”のうねりを起こさせ、「世界教会協議会(WCC)」の設立、第2バチカン公会議の『エキュメニズム教令』の発布につながっていきました。
毎年、1月18日から25日までキリスト教一致祈祷週間が実施されています。神奈川2地区に属する鶴見教会や聖ヨゼフ学園の設立母体であるアトンメントのフランシスコ修道会は教会一致(エキュメニズム)運動を主眼に創立された修道会です。したがって、23日には鶴見教会で教会一致のための祈祷集会が予定されていますし、横浜教区としては1月23日(日)16時から聖公会平塚マリア教会で、教会一致のための祈りの集いが行われます。
私たちも祈りや学びを通して、エキュメニズム運動に参加したいものです。