11月、カトリック教会では死者のために祈る月です。典礼暦に死者の日が設けられたのは、11世紀前半、フランスのクリュニー修道院の働きによるものです。同修道院長オディロ(962年頃~1048年)の指導のもとに、11月1日諸聖人の祭日の翌日、11月2日がすべての死者を記念して祈る日と定められました。この両日の典礼は、キリストによる兄弟姉妹の絆はつねに一つであり、その共同体性は裂かれることはない、というキリストの神秘体の秘儀をよく表しています。
北半球においての11月は、実りの秋もそろそろ終わりを告げ、紅葉が見頃となります。そして、枯れ葉が散る晩秋は“死”を想い、死者のために祈る格好の季節でもあります。詩人イム・ソンスクの晩秋にふさわしい詩をご紹介しましょう。
過ぎ去った春夏
あなたが見守られる瞳の中で
どんなに青く、どんなに大きく 育ったかあなたが無償で与えてくださる
恵みの雨と日差しの中で
どんなにかぐわしく、どんなに甘く 熟したか今はあなたが刈り取られる収穫の季節
熟した実は熟した実に
殻は殻に
正しい御手で刈り取られる日
もう少し、もう少しだけ
陰の中に埋もれていた時期遅れの実が
どうか美しく熟す時まで
愛の御手をもって待っていてください
主任司祭 松尾 貢