アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

今年の年間第31主日は11月1日の諸聖人の祭日と重なったため、諸聖人の祭日が優先されることになりました。

諸聖人を祝うことは東方教会で始まりましたが、11月1日に祝う習慣の起源はアイルランドやイングランドで行われ、8~9世紀に全西方教会に広まったと言われています。神のもとに迎えられ、すべての人のためにとりなす聖人たちに心を向ける祭日であります。

「教会の祈り」の諸聖人の祭日の読書課では、聖ベルナルド修道院長の説教が載っています。諸聖人の祭日の意味を理解するために、一部をご紹介したいと思います。

「わたしたちがこの日を盛大に祝うことに何の意味があるのでしょうか。天の御父が大切にしてくださる聖人たちにとって、地上でわたしたちのほうから大切にされ、賛美されることは何の利益になるのでしょうか。彼らはすでに満たされているのです。兄弟の皆さん、確かにそうなのです。聖人たちはわたしたちの賛美を必要としているわけではありませんし、わたしたちの崇敬も彼らの益になっているわけではないのです。わたしたちが聖人たちを記念して祝うのは、彼らのためではなく、わたしたちの役に立つことなのです。どれほどわたしたちの役に立つのでしょうか。わたし自身について言えば、聖人たちに思いをはせることによって、強いあこがれが心に燃えたつのを感じるのです。

第一のあこがれは、聖人たちのすばらしい集い、天使たちの仲間となり、使徒たちの団体、無数の殉教者の群れ、諸聖人の交わりに加えられ、彼らと喜びを分かち合いたいということです。聖人たちがわたしたちと会いたいのに、わたしたちはそれを軽視してしまうのです。義人たちがわたしたちを待っているのに、わたしたちは無視してしまうのです。

第二のあこがれは、わたしたちのいのちであるキリストが彼らにおいて現れたように、わたしたちにおいても現れ、さらに、わたしたちもキリストとともに栄光に包まれて現れたいということです。

聖人たちの祈りの助けを熱心に願うことが大切です。それは、わたしたちの力では不可能なことが、諸聖人の取り次ぎによってわたしたちに与えられるためです。

主任司祭 松尾 貢

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