5月は聖母月です。野ばらの匂うこの季節、今年はより格別な月となりました。それはファティマの聖母の記念日に列聖式が行われたからです。1917年聖母出現の百周年に当たる今年、教皇フランシスコは当地を訪問し、牧童だったフランシスコとジャシンタの列聖式を行いました。
5月24日はキリスト信者の助けなる聖母の祝日です。この称号はドン・ボスコが大切にしていたもので、主にサレジオ修道会関係で盛大に祝われてきました。それが一気にグローバルな記念日になったのはベネディクト16世の意向によるものでした。2007年6月に教皇ベネディクト16世は『中華人民共和国の司教、司祭、奉献生活者、信徒への手紙』を発表し、5月24日を<中国の教会のために祈る日>とすることを提案、「中国上海・佘山の聖母への祈り」を発表なさいました。中国天主教愛国教会(中国共産党の指令下)と地下教会(聖座に忠誠)間の分断、国家機構による教会人事への介入や検閲と弾圧下にある教会にために祈呼びかけです。長いお祈りですが、一部をご紹介しましょう。
至聖なる乙女よ、人となられた神の御母、わたしたちの母、「佘山のキリスト者の助けなる聖母マリア」よ、
中国の教会はあなたに愛のまなざしを向け、あなたにご保護を求めにまいります。真理と愛の道を歩みながら、いかなる状況にあっても人々の間でいつも平和的共存の源となれるよう、神の民に目を注ぎ、母の心をもって導いてください。
・・・・中略・・・・
佘山の聖母よ、
世界にイエスについて語り、イエスに世界について語るのを決して恐れることのないよう、中国にあって毎日に苦労の中でも信じ、希望し、愛し続けているすべての人々の努力を支えてください。
佘山の聖母巡礼聖堂にあるあなたのご像は、愛を込めて大きく手を広げ、御子を世界に示すべく天に高く掲げています。
教会の礎聖ペトロの岩にしっかりと一致しつつ、常にこの愛の信じうる証人となれるよう、中国のカトリック信者たちを助けてください。
中国の聖母、アジアの聖母よ、今もいつも私たちのためにお祈りください。アーメン。
主任司祭 松尾 貢