今日は聖家族の祝日です。降誕節にこの祝いがあるのは、救い主が人間として尊い命をもっておいでになられたからです。
丁度、年末になり、家族が集う時期になりました。家族とは、血縁関係で繋がっているだけでなく、愛によって繋がっているものです。ですから、表向きに血の繋がった家族であっても崩壊している家族もあります。その一方、血縁関係がなくても、深い愛によって繋がっている家族もいるでしょう。家族の中にはそれぞれ命の繋がりがあります。つまり人はその命の繋がりの中で生きています。この命の繋がりは、「愛」によって、より深く繋がると思います。そのため聖家族を祝う今日は、この〝愛のつながり″を考える日でもあるのではないでしょうか。

現代、虐待などによって、幼い命が奪われています。両親から暴力を受けることほど辛いことはないでしょう。愛情を受けるべき親からそれを与えられないどころか、苦しみを与えられている。これは親だけの問題ではなく、社会全体が命の繋がりを考えて、助け合っていかなければ解決しないことではないかと思います。

マタイ福音書(12.46-50)において、人々がイエスの家族に気づき「御覧なさい。母上とご兄弟たちがお話ししたいと外で立っておられます」と言います。するとイエスは、弟子たちを指して「誰でも、わたしの父のみ心を行う人が、わたしの兄弟、姉妹、また母である」と言われました。
これは神を中心にして愛によって繋がっている〝連帯″を示しています。イエスのみ心とは、〝どの人も大切にされ、愛されること″です。ですから、その愛に生き、繋がって生きている人こそ「神の家族」と言えるでしょう。聖家族はまさにこの愛の繋がりの模範です。私たちも聖家族を模範として、お互いを大切にし、愛されるべき命として関わっていかなければならないと思います。そして聖家族を思うときに、私たちは自分の家族に留まらずに、もっと大きな愛の繋がりを考えて生きなければならないのではないでしょうか。


主任司祭 西本裕二

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