先日、帰天した藤川長喜師は大阪星光学院高校の卒業。在学中に所属していた演劇部の部長(修道士)の感化で洗礼を受け、不思議な道のりをたどって司祭となった、実に奥深い魅力にあふれた先輩でした。

若い時は宝塚歌劇団、司祭となってからは劇団四季や現代歌舞伎・市川猿之助の大ファンで、私も何回か連れていってもらいました。1994年の関西・淡路大震災時に当時院長をしていた調布サレジオ神学院挙げて西宮カルメル修道院の支援活動をしたことが縁で、藤川師は西宮をはじめ、全国の女子カルメル会の黙想指導に呼ばれるようになりました。

あるとき、その藤川師から次のような話と依頼がありました。

<女子カルメル会のシスター方は困っている方のために祈り、犠牲を捧げるのが使命だから、自分たちの困っていることを人に言わないけれども、今の日本の教会で本当に困っているのは彼女たちかもしれない。教育、看護、福祉の修道会ならば教師、看護師、施設職員としての給料をもらい、退職後もある程度の年金をもらえるけれども、観想修道女は若い時に観想修道院に入り、祈りと犠牲の生活をおくり、ホスティアやローソク作りでささやかな糧をえている。若い時はいいけれども高齢化が進み、最低レベルの年金、病院通いなどの出費で、かなり困窮しているのが現状。あなたの鷺沼教会でもなんとか支援してくれないか>という勧めでした。

その時以来、毎年のバザーの収益金の中から、いくばくかの支援をさせていただいている次第です。

先月21日「聖マリアの奉献」の日はまた「観想修道者の日」でもありました。フランシスコ教皇は、当日バチカンで行われた一般謁見の中で、次のようなお話をなさいました。

“今日は聖母の神殿への奉献の祝日ですが、同時に修道院の禁域の中で祈りのうちに生活する観想修道会の多くの修道女たちの「祈る人びとの日」でもあります。沈黙のうちに隠れた生活の中で全生涯を神に捧げて生きる人びとを送ってくださった神に感謝するためのよい機会でもあります。これらの修道女たちのために、全教会からの愛と助けと物的な援助も欠けることがありませんように”

主任司祭  松尾 貢

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