インドとベトナムというと、皆さんは何を連想なさるでしょうか。政治が好きな方なら、両国は中国の一帯一路政策に危機感を感じている国とお答えになるでしょうか。確かに両国は中国と国境を接していて、歴史的にみても中国とは因縁の間柄です。経済に関心が高い方なら、日本が出資に積極的に関わっている国々とも言えます。

カトリック教会、その中でも修道会の立場から言えば、この両国は極めて司祭召命、修道召命が多い国として知られています。インドはヒンズー教が圧倒的に強い国ですが、南西部のケララ州には多くのカトリック信徒がいます。ベトナムも小乗仏教の国ですが、フランスの植民地だったこともあり、パリ外国宣教会の宣教で国民の1割近くはカトリックで召命が多いです。男子に限って言えば、イエズス会の場合、インドに15管区があり、インド人修練者の数は会の三分の一を占めています。サレジオ会もインドに11管区(イタリアは4管区、スペインは3管区、独仏はそれぞれ1管区)があり、修練者の数は会の四分の一を占めています。ベトナムでは毎年約25名の修練者が誕生しています。

そういう両国からこの日本にも多くの宣教師が来日していますし、今後も増加することでしょう。先週11日にはインド人デ・スーザ師が黙想指導に来られましたし、今日の10時ミサの司式はベトナム出身の春山ミカエルラップ師です。

ラップ師は現在、帰化して春山と名のっていますが、以前はグエン・ミン・ラップという名前でした。この春、厚木教会に着任するソン師同様、1975年のサイゴン陥落により南ベトナムが共産政権になった後、ボートピープルとして日本にやってきて、神学校に入ったという共通の体験を持っておられます。ラップ師の弟さんとソン師の妹さんが結婚していますので、両師は義兄弟の関係でもあります。

横浜教区の場合、日本司祭が各世代にバランスがよく、さらに年配の司祭は欧米、若い司祭には韓国、フィリピン、ベトナム、アフリカ、南米出身の司祭たちに恵まれている点は横浜教区の大きな魅力であり、豊かさだと思います。梅村司教様の召命活動・宣教師招へいに対する熱意には感心させられます。

主任司祭 松尾 貢

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