「道」は私たちの生活の中で必要不可欠な大切なものです。よっぽどの人でない限り「道」は自分には関係ないと言える人はいないことでしょう。「道」が私たちの日常生活を成り立たせます。買い物に行ったり、学校・病院・市役所・警察・友達の家に行ったりできます。道は「安全」を保障し、人々を繋ぐ役目を果たしています。道を通して家族親類は一つになり、友人たちは、心の通いを確認し、喜ばしい新たな出会いが誕生します。人類は「道」を通して、文化を開化させ、文明を発祥させました。

「ローマは一日にして成らず」と言われます。木原武一は、その著『アインシュタインの就職願書』の中で、次の統計を挙げています。BC2世紀にはほぼ完成していた世界の奇跡といわれる「ローマの道路」だが、「1.総延長は約40万キロの舗装道路。2.戦車が楽に擦れ違える広い幹線道路が、赤道の2周分の8万キロ。3.最初の舗装道路は、BC4世紀の初めにアッピウス・クラウディウスという盲目の監察官によって作られ、約260キロの「アッピア街道」は、ほぼ1年の突貫工事で完成させた。4.その基本の規格は、道幅は10メートル、大きな石・コンクリート・こぶし大の石・小石・砂利・砂と下から敷き詰めコンクリで固めたので1メートル以上の厚さがあった。5.道の両側には歩道があり排水溝が完備されていた。6.1.5キロごとの標識と15, 6キロ毎の中継所、50, 60キロごとに、宿泊所があって、完全に管理されていた」のです。

こう考えると「ローマの軍団と道路がローマ帝国を創造した」というのは正しいと言えます。長々と余計なことまで書いたかもしれません。でも遊牧民族のユダヤと世界帝国を建設したローマ時代の影響の中で考えたほうがより良くそしてより立体的に「イエス様の道」の重要性を理解できるのではないでしょうか。

イエス様は「私は道であり、真理であり、命である」(ヨハネ14:6)と言われました。

主任司祭 田中次生
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