毎年、1月の最後の日曜日は「児童福祉の日」と定められ、子どもたちのために祈るとともに、その活動援助の献金が勧められます。わたしたちの教会では、ちょうどドン・ボスコの公式の祝日になりますので、一週間早めて今日を「児童福祉のための祈りと献金の日」としました。

この会の活動は、1842年フランスのナンシー教区において始められ、瞬く間に多くの教区に広がり、現在では教皇庁直轄の活動になっています。もともとこの会の活動は、子どもたちが自分の小遣いの中から献金として持ちより、それを必要とするところの送るようにしたのが始まりでした。当時、活発に世界的な宣教活動が展開されていましたので、宣教地の子どもたちに心を向け、世界的連帯の姿勢を教えるためでもありました。これによって多くの子どもたちが犠牲を学び、宣教師の活動にあこがれ、宣教師が輩出していきました。

第二次世界大戦終結後の日本における宣教活動も、外国から多数の宣教師が来日して活発化し、それにともない子どもたちに対する働きかけの物的援助をこの教皇庁立宣教事業後援会を通じていただきながら多くの福祉活動や施設充実に恩恵を受けました。

第二バチカン公会議の「教会の宣教活動に関する教令」には次ぎのような勧めが示されています。「自分の民の中から、世の福音宣布のため、自発的に神に祈りと苦業を捧げる人々を生じさせることは司教の務めである。カトリック信者をすでに幼少の時から、真に普遍的、宣教的な精神で満たすための手段であるとともに、全宣教地のためにそれぞれの必要に応じて、実質的な援助基金を促すための手段でもあるから、この活動を最優先すべきである。」(38)

アフリカ諸国には内戦等により、現実的に両親を亡くし、援助を求めている孤児が多数いることも事実です。そのようなところに物質的援助がもたらされるように協力するとともに、かれらのため、また彼らの福祉のために尽くしている人々のために祈らなければなりません。そしてわたしたちの子どもたちにもそのような目的のために、犠牲と祈りを教える必要があります。

物質的には恵まれ、平和である日本においても親子の断絶の中で一人孤独に苦しんでいる子どもがいます。この子たちのためにも祈る必要があります。

主任司祭 小坂正一郎
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