教皇フランシスコは、2015年3月18日の謁見の際に、「平和は家庭から」というメッセージを語られました。そこで教皇は、家庭における教育や愛の体験が兄弟愛や他者に心を開く人間づくりの場となり、また平和の学びとなることを強調されました。
現代、人の痛みや苦しみが分からない若者が増えてきていると言われています。最近の未成年者の凶悪犯罪の増加はそれを表しているように思います。人間は、家庭の中で親子や兄弟の絆や交わりをとおして、大事なものを学んでいきます。しかし、その家庭の中で交わりや絆が薄れているならば、平和な社会を築くどころか、社会に不安もたらすだけです。
四旬節は、私たちが神の愛に気づき、その愛を他者に示すときです。でもそのためにまず、それぞれの家庭の中で“愛”を育む「教育」や「体験」を大事にしていかなければならないのではないでしょうか。
主任司祭 西本 裕二
参照: 教皇フランシスコ、2015年3月18日の一般謁見演説:家庭— 8.子どもについて①