12月3日の聖フランシスコ・ザビエルの祝日に近い12月第一日曜日は「邦人(宣教地)司祭育成のための祈りと献金を捧げる日となっています。明治の開国以来数多くの宣教師が来日して、宣教活動にたずさわってくださいました。キリストのみ教えを聞くのは宣教師からという考えが日本の信者のある人は当然のことのように思っているかもしれません。しかし、宣教活動はその地に教会が開花するのを目指すことであり、その見える形が当地の司祭団の確立によって信者司牧ができることです。この面では、日本はまだまだ遅れているといわねばなりません。そのため司祭育成という重大なつとめのために多くの祈りを常に捧げていかねばなりませんが、特にこの「祈願日」にはそれを思い起こして祈り、献金を捧げたいものです。
司祭になるには人間的素養を養うとともに、教会の指導者となるため専門的学問も修めなければなりませんので、就学年数も長くなります。そのため司祭養成の苦労と費用もかさんできます。ドン・ボスコも司祭を目指す間、知的能力の面では大きな困難は感じなかったようですが、生活費や学費の捻出には多大の苦労を払っていたことが伝記に見られます。
最近は全世界で司祭の不足が深刻な問題となっています。私たちの周りで直接身に迫ってくることがないので、さほど気にしない人もいるようですが、主日にもミサの行なわれない教会が出ていることは心しなければなりません。そのためにも、司祭養成の神学校や神学校入学を目ざす中学生・高校生・大学生の志願院に関心を持ってほしいと思います。
最近まで近くにあったサレジオ会の志願院は、開設以来31年になりますが、そこから巣立った神学生の中からすでに20名の司祭が誕生しています。近く中田助祭が司祭叙階を受けるありがたい恵みが訪れます。この司祭たちが現在、若手、中堅として日本のサレジオ会活動を担っています。この志願院がもしなかったなら、あるいは若者の召命活動を放棄していたなら、日本においてサレジオ会はすでに消滅していたと言えましょう。この間、多くの方々が後援会を組織するなど、色々な形で協力支援をしてくださいました。この支えなしには司祭養成の仕事は継続できなかったでしょう。心より感謝いたします。
横浜教区には司祭育成に後援する「一粒会」があり、教区の司祭養成を支えています。わたしたちの教会でも延べ百数十名の方が志願院後援会や一粒会に名を連ねて定期的な献金を捧げてくださっています。出来ればもっと多くの信者の方々がこのような会に積極的に関心を深め、協力していただきたいと願っています。