「主は星に数を定め、それぞれに呼び名をお与えになる。」詩147:4

アイキャッチ用 田中神父の今週の糧

田中角栄元首相は、地元新潟の人たちの「名前」を覚えることで政治家としての大切な地盤を作り上げたと言われました。またナポレオンは、一日の仕事を終えると、自室に入り「軍団の組織表」を見ながら、声に出して読み上げ、ペンで書いたりして何回も何回も、将兵達の名前を覚えようと努力しました。そして彼は、白兵戦の最中、将兵の名前を大声で呼んで指揮を執ったので、名を呼ばれた兵士たちは、将軍が自分の名前を覚えてくれていると感激し、勇猛果敢に戦いに挑んだということです。

話は変わって、もう30年以上唱えている教会の祈りの中で、次の詩篇の言葉に初めて、興味を引かれました。「主は星に数を定め、それぞれに呼び名をお与えになる。」(詩147:4)です。私たちはよく星に「無数」のという形容詞をつけます。星は数えられないくらい沢山あるからです。でもそれを造られた神様のお心の中では、一つ一つは「名前」を持った存在なのです。「名前」は愛の表現だからです。人類が地球に存在するようになって、最初に「名前」をつけたのは夫婦相互でしょう。子供誕生で名前が増えていき、一緒に生活する犬にも名前が付けられていきました。ですから、神様は愛情を持って創造された星たちに当然のこと「名前」を付けられたのです。

星にそれだけの愛情を寄せられる神です。しかし人間の創造の時に神は言われました。「我々にかたどり、我々に似せて、人をつくろう。」「神はご自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。神は彼らを祝福されて言われた。『産めよ、増えよ……』」と。(創1:26~)今全世界に62億余の人間がいます。その一人一人はみんな神様のかたどりであり、神様に似ているのです。そして祝福されているのです。

今日の聖書(ヨハネ10:11)は、「羊飼い・よき牧者」の譬えです。その冒頭のところで、「羊飼いは、自分の羊の『名』を呼んで連れ出す」と言います。
私達の牧者イエス様は私達の名前をご存知なのです。

主任司祭 田中次生

「祈りの輪」主任司祭の意向

「5月は母の月です。私達の周りで、とくに鷺沼教会の中で、苦しんでいるおかぁさん方のため、イエス様の十字架を共に耐えられたマリア様にお祈り致しましょう。」


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