天には神に栄光。地には善意の人々に平和

アイキャッチ用 田中神父の今週の糧

クリスマスおめでとうございます。皆様お一人お一人に、またご家族の上に、お生まれになる幼きイエスさまの“愛とお恵み”が豊にあるようにと心からお祈り致します。

さて、天使からお告げを受けたマリア様がなさった最初のことは「エリザベット訪問」でした。ナザレからエルサレム西方のアイン・カレムのザカリアの家までは、150キロほどの距離でした。13歳ぐらいの、世間ではいわゆる“小娘”の中に入れられるマリア様が1人で旅をされたのでした。そして3ヶ月間、出産前後の慌しい家事を担当されたのでした。往復300キロの道を、イエス様を胎内に宿しながら歩かれ、日常生活のお掃除・洗濯・炊事・買い物・畑仕事・水汲み等をされながら、イエス様のご誕生を準備されたのでした。マリア様は、道を歩きながら、家事に勤しみながらそれでもキチンとイエス様をお迎えする準備をされたのでした。私たちだったら「忙しくって“とてもとても”……」と言って、ごまかしてしまいそうですが……

マザー・テレサは言います。「聖母にとって天使のお告げは、イエスが彼女の人生に入って来られた時でした。それは、マリアにとって『初聖体の日』だったのです。マリアはこのあと素晴らしいことをしました。イエスが胎内にいることを知ったマリアはすぐ出かけました。身ごもっていた、いとこのエリザベットのところに行ったのです」と。(『愛するために』)

クリスマスには、よく「馬小屋からカルワリオの丘に続く道」という表現が使われます。シリーズ“道”(No.10)の最終回に相応しい言葉だと思います。聖ヨハネは「神はこの独り子をお与えになるほど、この世を愛した。それは、おん子を信じる者が一人も滅びることなく、永遠の命を得るためである」と聖書(ヨハネ3:16)に書くと同時に、「十字架のかたわらには……その母が立っていた」と記録します。「馬小屋からカルワリオの丘に続く道」は、マリア様の道でもあったのです。クリスマスにあたって、私たちの道もマリア様が御一緒に歩いて下さるように祈りたいものです。

主任司祭 田中次生

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