聖ドメニコ・サビオの祝日(No.1)

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今日は私たちの教会の保護の聖人ドミニコ・サビオの祝日をお祝いします。ドミニコは、1854年10月ドン・ボスコと出会い、15歳で亡くなる1857年3月9日まで、ドン・ボスコの良き生徒ととしてその指導に完全に従い、1957年6月12日、教皇ピオ12世によって列聖されました。10代で、殉教ではなくて、その聖なる生活によって、聖人として教会が認めたのです。1951年6月24日のサレジアン・シスターズの初代総長、マリア・マザレロに継いでドン・ボスコの教え子としては、2番目の聖人になったのでした。

ドミニコの伝記の中で、忘れることの出来ないエピソードがあります。彼の死後10年ほどたったある夜、ドン・ボスコは、天国のドミニコとオラトリオの少年たちを幻の中で見ました。ドミニコと少年たちは、美しい庭園の中をきれいな花束を持って、ドンボスコの方に歩いてきました。スミレ、バラ、リンドウ、ユリ、麦の穂などが咲き誇り、芳香を放っていました。ドミニコは「これらの花々は神様が喜ばれる徳を現しています」と言いました。
ドン・ボスコは「わかった。ドミニコ、でもちょっと聞きたいことがある。この世にいた時これらの徳を実行した君が、死ぬ時に一番慰めになったものは何ですか」
「当ててごらんなさい」とドミニコは少しいたずらっぽく言った。
「潔白の美しい徳を守ったことかな。」
「良心が安らかだったことかな。」
「天国への希望かな。」
「たくさん善行して天国に宝を積んだことかな。」と続いたドン・ボスコの答えに、ドミニコはその都度「そう、確かにこれも良いことです。でも一番ではありません。」と答えるのでした。ドン・ボスコは最後は懇願するように尋ねました。「君が死ぬ時、一番の慰めになったのは何ですか」食い入るように見つめるドン・ボスコに、その時のことを思い出したかのように言いました。
「僕が死ぬ時に一番慰めとなった事は、救い主の優しく力強いお母様・マリア様が、僕の側に居て下さったことです。あなたの子供たちにも是非このことをしっかり教えて下さい」と。

主任司祭 田中次生

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