12.天国の裏門の鍵
ある日、天国での午後の昼下がりでした。イエスさまが天国の庭を散歩されていた時のことでした。「何故こんな人が天国に?」と感じさせる雰囲気の人が幾人かいるのに出会いました。
イエスさまは早速天国の門の警備隊長ペトロに苦言を呈しに行きました。天国のレベルを下げて欲しくなかったからです。ぺトロは困惑しながらいいました。「イエス様、あなたは天国の入り口の鍵を私に任されました。しかし、マリア様が天国の裏門の鍵を持っておられるので、多少困る人たちは、最初から裏門に向かうのです。イエス様何とかして下さいよ!!」
イエス様は、しばらく腕組みして考えましたがこう答えました。「やっぱり、おふくろ・マリア様には子供として文句言えないよ……」と。
だから天国に裏門から入る人が随分いるのだそうです。
13.天国=マリア様と一緒にいる場所
アウシュヴィッツで亡くなられたコルベ神父様の子供の時の話です。
コルベ少年はあるとき家庭の中で、マリア様の出現を受けました。手に白い花の冠と赤い花の冠とを持っておられたマリア様は、少年にどっちの冠が欲しいのかと尋ねられました。コルベ少年はしばらく考えてから、マリア様から戴くのだったら、その両方が欲しいとお願いしたのです。
少年はその冠が何を意味するのかおおよそ理解していました。「赤い冠」は殉教を意味し、「白い冠」は修道生活の目指す「清貧・貞潔・従順」なのだということを。マリア様は少年のその希望を受け入れました。1911年17才でコンベンツァル会で誓願を立て、36歳で日本に宣教師として来られました。
1941年7月29日アウシュヴィッツ収容所の一人の脱走者のためのみせしめに10人が「餓死室の刑」が実施される時、一人の若い父親に代わってその刑を受け、8月14日、餓死の地下牢で死の注射を受け帰天しました。47歳でした。
彼は天国でマリア様に再会し、赤と白の2つの冠を戴いたのでした。