アイキャッチ用 田中神父の今週の糧

日本カトリック司教協議会列聖列福特別委員会から「列福をひかえ、ともに祈る七週間」―ペトロ岐部と187殉教者―という冊子が教会に送られてきました。日本の全教会が心を一つにして、11月24日に行われる「列福式」を霊的に準備しようと作られた冊子です。鷺沼教会も400冊注文し、教会入口で配布していますので、是非お取りになって下さい。教会としても、7週間の準備を行いたいと思っていますので、大事に残しておいて下さい。

今度の列福、日本の司教団と列聖列福特別委員会を中心に25年をかけて取り組んだ運動の成果ともいえます。委員長の溝部司教様と関係者がいろいろな雑誌のインタビューで答えていますが、なかなか運動としての流れが出来にくかったと言います。「なにを今更、400年も前の人を引っ張りださなくても……」や「教会の“凱旋主義”なのではないのか?」とか「こんなに人材と時間とお金をかけて取り組まなければならないことなのだろうか? もっと今すぐにでも取り組まないといけないことがあるんじゃないか?」などなどです。

でも、教皇ヨハネ・パウロ2世は2001年3月31日、日本の司教たちに向かって次のように語りました。「日本の教会の最初の世紀は、殉教者たちが示した勇気と神への忠実さという信仰の消えない印によって飾られました。彼らの英雄的な証しは、日本の教会の過去を、十字架に付けられた主の輝きで飾るだけではなく、今の日本の教会の歩むべき道と、将来の使命と約束をも示しています」。

特別委員会は、この冊子の中で、現代に生きる日本のキリスト者への福者たちのメッセージとして次の3点を挙げています。

  1. 「確かなものへの信仰」殉教者たちが「いのちを賭してまで」示した信仰の対象としてのおかたの存在。
  2. 「絶望を越えて」どんな境遇にあっても、決して「絶望しなかった」殉教者たちがいたことを思い起こしたい。
  3. 「かけがえのないものへの愛」殉教者たちは、イエスへの愛ゆえにいのちを捧げた。そしてイエスに倣って、為政者(いせいしゃ)・迫害者すべての人のために祈りながら死んでいったのです。

教皇様の望みに従って、さまざまな困難と不安の中に生きる私たち日本のキリスト者たちが、殉教した福者たちのメッセージを大切にも受け止め、自分たちの信仰生活を深める努力をしていきたいと思います。

主任司祭 田中次生

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