侍者と妊婦の保護者 聖ドメニコ・サヴィオ

アイキャッチ用 ロロピアナ神父の今週の糧

「罪より死を。イエス様とマリア様は私の友達です。」この言葉を読むと、すぐに、ドン・ボスコの庭に咲いた一番美しい花、ドメニコ・サヴィオのことを思い起こします。
5月6日は、聖ドメニコ・サヴィオの祝日ですがこの少年の聖人は鷺沼教会の保護者であり、祭壇に仕える侍者と妊婦の保護者でもあります。イエス様に対する愛を燃え立たせながら、天使のような祈りをしていたドメニコが、侍者の保護者となったのは当然に思われますが、妊婦の保護者になっているのはなぜでしょうか。
ドン・ボスコのオラトリオに入った翌年のある日のことです。ドメニコは急に、母が病気だと感じました。別に、なにか知らせがあったわけでもなかったのですが、ドメニコを全面的に信頼していたドン・ボスコは、帰郷の許可を与えました。そのとき、確かに母親は難産で大変苦しんでおり、命も危ないほどでした。家の近くに着いたドメニコは、医者を探しに出かけたお父さんにばったり会いました。「どうして帰ってきたの?」と聞かれ、「お母さんが病気だから」と答えました。父親は、子どもがまずいときに帰ったと思い、お祖父さんのところへ行くように勧めましたが、ドメニコは再三の反対にもかかわらず、寝室へ走り、母を抱きしめました。そしてすぐに、ドメニコは家を後にしましたが、奇跡でしょうか、まもなく、妹のテレサが無事に生まれました。そのとき、緑色のリボンに付いたマリア様のメダルがお母さんの首にかかっていることがわかりました。それは、お母さんを抱きしめたときに、ドメニコがかけてあげたメダイでした。
ドメニコ・サヴィオの短い人生には不思議なことが多くありましたが、上記のような感動的なエピソードがあったため、妊婦の保護者と定められました。事実、現代も、難産や不妊で悩み、ドメニコ・サヴィオの御取次ぎを願って、助けられた人も数えられないほど多くいます。
聖徳の巨人だと言われている聖ドメニコ・サヴィオが鷺沼教会の保護者の祝日に当たり、教会の子どもたちも、お母さんたちも、見守ってくださるように、心から祈りたいものです。

助任司祭 アキレ・ロロピアナ

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