去る6月6日、日曜日、高松教区のカテドラル桜町教会において、谷口広海さん(61歳)の終身助祭叙階式が執り行われました。谷口さんはサレジアニ・コオペラトリ(サレジオ協力者会)の一員ということもあり、指導司祭である私は感動的な叙階式に参加することができました。司式は高松教区長・溝部脩司教、九州のサレジアニ・コオペラトリ8名も駆けつけてくれました。
谷口さんは、佐世保の三浦町教会の熱心な信者で、仕事と教会への奉仕を両立しながら、9人の子供(男6名女3名)を育てました。成人式を迎えた末のお子さんも家庭を持って巣立ち、子どもたちは全員、それぞれの道を歩まれていますが、そのうち二人の娘さんはシスターになっています。そして谷口さんはこの2年間、溝部司教のもとで働きながら、神学の学びを続け、終身助祭になる準備を進めてこられました。
叙階式に与るたびに感じることなのですが、叙階される人の顔は、聖霊に満たされ、大きな喜びをあらわします。今回、奥さんと9人の子供と3人の孫に囲まれて助祭叙階を受けられた谷口さんの顔も、まさにそうでありました。
式後の祝賀会の場では、すばらしい声の持ち主である谷口さんはご家族と一緒に、チマッティ神父作曲のアヴェ・マリアを歌ってくれました。本当に感動的でした。
ご存知のように叙階の秘跡には助祭、司祭、司教の三つの段階があります。助祭は、説教、結婚式や葬儀の司式、その他のいろいろな場において、司祭と司教の重要な助け手であります。特に、司祭の少ない地域では貴重な存在です。鷺沼教会では、土曜日に2回、日曜日は3回もごミサが捧げられていますが、地方に行きますと、日曜日でもごミサがない教会はめずらしくありません。教会と信徒にとって、一人でも多くの助け手を授けられることは幸いなことです。
子育てを終えた後、神様や兄弟姉妹に仕えるために、助祭として残りの人生を捧げる谷口さんの生き様は、きっと現代の教会のニーズに応える魅力ある姿をみせてくれることでしょう。