この夏8月下旬、フィリピンのマニラでレデンプトール会の西本至神父が天に召されました。マニラ大司教シン枢機卿に請われて、1970年代からマニラに駐在し、日比両国の架け橋として、フィリピン人と日本人の司牧に努めてこられた方です。

その西本師が国際結婚で日本に住む多くの女性たちに、「あなたたちは神さまから日本へ送られた信徒宣教者。そのことを決して忘れないでね」とよく言っていたそうです。

もちろん、経済的な諸々の理由で日本人との結婚を選んだ女性も多いはずです。しかし、それだけではない。あなたたちには福音と福音的価値観を伝える尊い使命があるのですよ、というこの西本師の言葉は多くの在日フィリピン女性の心の支えとなっていることも確かです。実際、日本人と結婚したフィリピン女性たちがたちあがって、教会のなかった東北のある小都市に教会建設の話が現在もちあがっています。

10月1日に記念したリジューの聖テレジアのことを思い出します。彼女は16歳から24歳までの8年間のリジューでの観想生活の中で、宣教地にいる一人の司祭と一人の神学生への手紙と祈り、犠牲を通して、宣教のために尽くしました。8年間一歩もカルメル会修道院から出ることのなかったにもかかわらず、1927年に、ザビエルとともに宣教地の保護者に選ばれたのです。

故ヨハネ・パウロ2世教皇の、「すべての人が宣教に出かけるよう呼ばれているわけではありません。重要なことは<どこで>ではなく<どのように>です。家庭においても、職場でも、病院のベッドの上でも、修道院の囲いの中でも真の使徒となり、多くの実を結ぶことができます。重要なのは神の愛に心が燃えていることです」との言葉をかみしめながら、今日のバザーに来られる方を迎え、一日を過ごしたいものです。

主任司祭 松尾 貢
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