先の22日、灰の水曜日をもって、四旬節に入りました。これから、復活祭に向かって、40日間の心の準備の道程を歩んで行くことになります。
四旬節と言うとき、なんとなく厳しいイメージが頭に浮かんでくるのではないでしょうか。確かに、厳しさという側面はありますが、それは、自分の他人に対する厳しさでもなく、また他人の自分に対する厳しさでもなく、自分の自分に対する厳しさであります。ところが、他の人に対して厳しく、自分に対して甘く、という傾向をもっているわたしたちにとっては、それは言うのは簡単で、実践するのが難しいことです。
さて、どのようにして自分に対して厳しくすることができるでしょう。山上の説教でマタイ福音記者は大変参考になる3つのポイントをあげています。
- 1.祈り。
- 四旬節中、ふだんより量質ともにもっとよくお祈りにつとめなければなりません。
神との対話は、わたしたちと神との一致を深め、またその交わりを味わいながら日々の生活を生きることにつながります。 - 2.断食。
- あまり使われていない言葉であり、むしろ、ダイエットという言葉をよく聞きます。
両方とも、空腹を覚える行いですが、神のための断食は、上を向いてやることであり、ダイエットは下を向いてやることであり、その違いは大きなものです。 - 3.寄付。
- 動機や目的はなんであれ、自分が汗をかいて稼いだお金を手放すことは、心の痛みを伴うものです。
しかし、その痛みに意味と価値があるのです。
少しでもこの3つのポイントを考え、少しでも実践すれば、きっと実りのある四旬節を過ごし、喜びの多いご復活祭を迎えることができるにちがいないと思います。
助任司祭 アキレ・ロロピアナ