今春の復活祭の受洗希望者は17名、プロテスタントからの転会希望者3名を含め、20名の方が共同体の仲間入りの準備をしております。志願者と面談をしている中で感じることがいくつかあります。
まず第一に、田園都市線沿線の鷺沼のような都会型教会は、ミッション・スクールや地方の教会の中で蒔かれた種と労働の実りの収穫をしている、という思いです。私たちが宣教、宣教と叫ばなくても、自然と教会の門を叩いてくる方が多いのです。これは、同じ横浜教区でも長野県や山梨県で司牧している司祭たちには考えられないことです。
第二に、家族の中で自分一人がカトリックの洗礼を受ける場合、お墓の問題、仏壇の扱い、他の宗教の儀式に参加する場合の心構えなどについて心配なさっている方々が多いということです。これは当然なことです。しかし幸いなことに、第2バチカン会議後の諸宗教対話の時代に生きる私達には、納得のいく指針を与えられています。2009年11月に中央協議会から発刊された『カトリック教会の諸宗教対話の手引き』という冊子があります。その第二部実践Q&Aでは、Q1、家族の中で宗教が異なるとき、Q2、他の宗教の冠婚葬祭に出席するときといった質問に具体的な指示が載っております。更に、先祖の墓と供養、位牌、仏壇のお供え、墓の方位、カトリック信者でない配偶者の葬儀、仏教徒の家族の墓をカトリック信者が守る場合、といったQ&Aが並んでいます。ぜひ、参考になさっていただきたいと思います。
もう一つは、ミサや教会活動に参加することへの家族の理解の問題です。自分は無宗教だが、<信教は自由>と、相手の信仰はOKだ、という立場をとる配偶者が大勢を占めているのは嬉しいことです。しかし、幼児洗礼については反対、日曜日に教会には行かず、家にいてほしいという夫が多いのもまた事実です。
信者でない夫を持つ女性の辛さについてパウロは何度も言及しています。約2千年前から続いている問題なのです。神津喜代子著『クリスチャンでない夫をもつ女性たちへ』(いのちのことば社2007年)は慰めと励ましになるでしょう。その本の中に引用されているのがタイトルの聖句、1コリント7章14節なのです。