今日は母の日。母の日にふさわしい一冊の本を紹介したい。この3月に刊行された『はなちゃんのみそ汁』だ。

先日、イエスのカリタス修道女会のシスターが鷺沼教会に見えた。ペルーから一時帰国中のシスター、これから南米に宣教女として派遣されるシスターとその同窓生シスター5名組だった。

シスターズ・リレーで東北の被災地を訪れてカリタス・ジャパンのベースでボランティア活動をした話。スモール・クワイヤーのCD「いのち」は震災前に出されていたのに、震災後のコンサートでは命の大切さをうたっていることで、被災地でよく歌われたこと。最近はプロテスタントの牧師さんたちからの注文が多いことなど、話しに花が咲いた。

そして、今、文芸春秋社から出ている話題の本、『はなちゃんのみそ汁』の安武千恵さんも臨終の枕もとでよく聞いてくださったんですよ、とCD「いのち」にまつわるエピソードと、その本を紹介してくれた。

長崎県大村出身のカトリック信徒で明治学園小学校の音楽教諭だった松永千恵さんと夫となる西日本新聞記者の安武信吾さん。この二人、結婚前の交際中に千恵さんが乳がんの宣告を受けます。その後、乳房全摘―安武さんの受洗―結婚―妊娠と出産―闘病―ブログ「早寝早起き玄米生活」の立ち上げ―はなちゃんの受洗―帰天―パパとはなちゃんの二人暮らしをブログの記事を中心に綴った本だ。内容紹介は省略するが、ぜひ手にとって読んでいただきたい本だ。

小学校4年生になったはなちゃんの作文の最後の言葉を引用したい。

「人の悪口を言わない。笑顔をわすれない。全部、ママが教えてくれたこと。
むずかしいな、いやだな、こまったな、と思っても、何とかなるもんね。“きりかえ、きりかえ”って、ママがよく言ってたもんね。花、もう泣かないよ。がんばるよ」。

主任司祭 松尾 貢
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