教皇選挙(コンクラーベ)のニュースがメディアを駆け巡る時期となりました。今月最終日に迎える主の復活祭を、私たちは新しい教皇様と共に迎えることになります。
コンクラーベ(Conclave)という言葉はラテン語に由来します。ラテン語のCUM(共に、一緒に)とCLAVIS(鍵)が一つの語になっています。直訳すれば「鍵と共に」で、もともとは「秘密の場所、あるいは建物の立ち入り禁止の場所」を指し、教会では教皇選挙が行われる場所と選挙者の集団を指します。
コンクラーベという用語が教会に取り入れられたのは、1268年、イタリアのビテルボで行われた教皇選挙の時からというのが通説になっています。教皇クレメンス4世がビテルボで没し、そこでコンクラーベが行われました。有権者は18名でしたが、イタリア派とフランス派に分かれて、長期間決まりませんでした。そこで、当時のフランシスコ会総長聖ボナベントゥラの勧めで、ビテルボの人達は枢機卿たちを宮殿に閉じ込め、鍵で閉めて外部との関係を一切絶たせました。それに加えて、食糧もパンと水だけを供給し、武装した人たちで城を囲ませ、他の食事を運び込ませませんでした。1271年9月枢機卿たちの妥協によってイタリア人のグレゴリオ10世が選ばれました。
今週始まるコンクラーベはシスティーナ礼拝堂が会場となり、外部との連絡は厳しく禁止されます。コンクラーベで教皇が選ばれるには、投票総数の3分の2以上の得票を得ることが必要です。投票は初日午後に1回行われ、この投票で決まらなければ続く2日に、午前・午後2回ずつ行うことができます。3日間の投票で決まらない場合は最大1日の祈りの期間を置いてから、同じような方法で選挙し、7回の投票をしても決まらなければ、また1日おいて7回行われます。
前教皇ベネディクト16世は、2月25日に世界の観想修道生活者に宛てて、「コンクラーベに集まった枢機卿団が、聖霊に導かれて、教会と世の時のしるしを見分けるために」特別なお祈りをお願いしました。私たちも是非その祈りの輪に加わるようにいたしましょう。