鷺沼教会で開講されている宗教講座で『YOUCAT』を使用している講座があります。故・聖ヨハネ・パウロ2世教皇の指示のもと、教理省長官・ラッチンガー枢機卿(後のベネディクト16世教皇)が作成した『ローマ教会のカテキズム』の青少年向け版テキストです。
『ローマ教会のカテキズム』が発行されて以来、トロント、ケルン、シドニーなどで世界青年大会が開かれ、信じたいと望む若者、神を探し求める若者、キリストを愛する若者、旅の仲間を求める若者たちが世界中から集いました。そんな中、『ローマ教会のカテキズム』を若者のことばで言い換えてみたいという声が沸き起こりました。この貴重な財産を、現代の若者の世界に取り入れてみたい。その声に応えて、ウイーン大司教クリストフ・ショーンボーン枢機卿の指導のもと作成されたのが『YOUCAT』です。どのようなものなのか、一部をご紹介しましょう。
(質問331) 世の中に不平等があるのは、なぜ?
(答え) すべての人に同じ尊厳があっても、すべての人の生活環境は同じではないよね。人が不平等を生んでいるなら、それは福音に反している。でも、人は神から異なるたまものと才能を与えられているから、神は互いに支え合うことをわたしたちに求めておられるんだ。人は愛を持って、他の人に不足しているものを補うべきなんだ。
(解説) 人々の間には一種の不平等があります。それは、神に由来するものではなく、むしろ社会的な条件、とくに原料や土地や資本の世界的な規模での不当な配分に起因しています。明らかに福音に反し、人間の尊厳を無視するあらゆるものを、わたしたちが世界から取り去ることを神は義務づけておられます。でも、人々の間には神の計らいによるもう一つの不平等があります。それは才能、生活環境、機会などの不平等です。これらが示すのは、人間は愛のうちに他者のために存在し、いのちを分かち合い増進するために、他者を愛する存在だということです。
(聖人・賢人の言葉)
「正義とは実は簡単なことなのです。困っている人を助けること。ひもじい思いをしている人に、パンの一切れを差し出す行為を“正義”と呼ぶのです」(やなせたかし)
YOUCAT、あなたも教理の復習として、一度読んでみませんか。