教皇様は7月5日からエクアドル、ボリビア、パラグアイという南米3ヵ国訪問をなさっています。これらの国々は南米の中でも小さく貧しい国々として知られているところです。

歴代の教皇様方は7月に入ると、ドロミテやアオスタなどアルプスの麓で夏期休暇をとり、ローマに戻った8月も郊外のカステルガンドルフで避暑をなさるのが通例でした。ところが、現教皇フランシスコは昨年もローマに残って執務をとられました。水曜日の一般謁見も真夏の暑さを考慮して、聖ペトロ広場ではなくパウロ6世ホールで行ないますし、日曜正午には聖ペトロ広場に集まった信徒と共にアンゼラスの祈りを唱え、祝福と短いお話をなさいます。カステルガンドルフへは一、二度日帰りをなさり、泊まられることはありません。そのため、暇になった別荘の職員の雇用を維持するために、バチカンのための野菜作りや別荘の一般観光客への開放という措置をとることになりました。今夏は前教皇ベネディクト16世が滞在するそうです。

さて、今年10月、バチカンでは「家庭」についてのシノドス(世界代表司教会議)が開催されます。昨年も同じテーマで行われたので、2年連続ということになります。その準備として、教皇様はこのところ、一般謁見ではずっと夫婦のこと、家庭のことをテーマにお話をなさっています。最近の講話の中から具体的な勧めの一例をご紹介しましょう。

―― 家庭生活をよりよくするための3つの言葉 ――

  • 「~してもいいですか?」「ありがとう」「ごめんなさい」。これらはいわば当たり前の礼儀ですが、このあたりまえの礼儀が大切なのです。サレジオの聖フランシスコも言っています。「礼儀正しい態度だけで、すでに聖性の半分に達している」。しかし、礼儀が単なる形式・仮面となる危険もあります。善意と愛、相手を思いやる尊敬に基づく礼儀でなければなりません。
  • 親しさ故に何をしてもかまわないのではなく、むしろ愛が深ければ深いほど相手を尊重する態度が必要です。「見よ、私は戸口に立って、叩いている」と聖書にあるように、主でさえも入るために尋ねていることを忘れてはなりません。
  • ルカ17章18節のエピソードのように、キリスト者にとって、感謝は信仰の中心といえます。
主任司祭 松尾 貢
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