※ 報告1はこちら >> 中軽井沢報告(1)

今春、50年という長きにわたって軽井沢の聖パウロ教会で働かれたフランシスコ会のカルロス・マルチネス師が祖国コロンビアに帰国されました。代わりに教区司祭・高野師が主任司祭として着任、奮闘しておられます。その高野師が毎月1回実施される横浜教区司祭月修に電車で参加する場合、新幹線で東京駅まで出て、そのあと京浜東北・根岸線で石川町駅下車、山手の司教館まで歩くことになります。軽井沢は長野県、そこから群馬県、埼玉県、東京都を通って、横浜に着くわけです。横浜教区の広さと地域性の豊かさを感じさせる一例です。

中軽井沢での分かち合いの中で各小教区が置かれた状況によって抱えている諸問題が違うことが実感されました。例を示してみましょう。

  1. 規模の違い
    信徒数が多い教会は神奈川県に集中しています。例えば鷺沼教会が属している神奈川2地区六教会の中で新子安教会を除く他の教会は千名を超える教会です。カテドラルの山手教会のある3地区、横浜教区で最多信徒数を擁する藤沢教会や雪ノ下教会が属する4地区は財政的にも人的にも豊かな地区と言えます。ところが山梨、長野の教会は名簿上でも数百人規模の教会がほとんどで、高齢化も加速しています。
  2. 外国籍信徒の割合
    鎌倉市の教会では外国籍の信徒は僅かです。ここ鷺沼でも外国籍の方はある程度在籍していますが、英語ミサ、ポルトガル語のミサが必要という割合ではありません。ところが、静岡県西部の浜松教会、三方原教会、鷺宮、掛川などの諸教会、横浜線沿線の大和教会、長野南信地区は外国籍が多数派の多国籍型教会といえます。

以上のような違いと状況は、過疎化、高齢化などと否定的に言われ、一見暗い話になりがちですが、そうでもない面もあるようです。

長野南信地区の代表者の発表の中で、「日本人信徒が高齢化と過重負担という理由で中止した教会バザーが、日本人と結婚したフィリッピン人妻たちの発案と尽力によって数年ぶりに復活した」という明るいニュースが報告されました。危機はまた将来への飛躍のチャンスでもあるのです。

主任司祭 松尾 貢

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