コムニオ3月号のクマモン助祭こと上田憲助祭の記事の中で、「好きな聖書のみ言葉は何ですか?」という質問に、師は「ヨハネ21章16節です」と即答、と書かれてありました。
“イエスは再び仰せになった。「ヨハネの子シモン、あなたはわたしを愛しているか」。ペトロは答えた。「はい、主よ、ご存じのように、わたしはあなたを愛しております」。イエスは仰せになった。「私の羊の世話をしなさい」(ヨハネ21章16節)。” 3月21日に大阪カテドラルで司祭助階の恵みを受ける上田新司祭がイエス様を愛するよき牧者としての旅立ちを始められるように祈りたいものです。
皆さんお一人おひとりも、大切になさっている聖句があることでしょう。辛い時、哀しい時、心を支えてくれたみ言葉、少なくとも好きな聖句があるはずです。
ある知人は、自分を支えてくれる言葉は、ヘブライ人の手紙13章5~6節だとよく言っていました。
“「わたしは決してあなたを見放すことも、見捨てることもない」と神は仰せになりました。ですから、わたしたちは、確信をもって、こう言いましょう。「主はわたしの助け手、恐れることはない。人が、わたしに何をなし得ようか」。”
確かにこのみ言葉はインマヌエルである救い主のアイデンティティーを見事に表していると言えます。実は、5節の「わたしは決してあなたを見放すことも、見捨てることもない」は申命記31章6節、ヨシュア記1章5節にもある言葉です。
また、6節の「わたしは決してあなたを見放すことも、見捨てることもない」は詩編118の6の引用と言われています。
私事になりますが、私も大神学生時代、ドイツ人聖書学者ワルケンホースト神父様のコリント書の授業の時に聞いたみ言葉「お前は私の恵みで十分だ。弱さにおいてこそ、力は余すところなく発揮されるのだ」(コリント後書12章9節)の解説が心に響き、叙階式のご絵に使わせていただきました。
主任司祭 松尾 貢