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SIGNIS JAPAN(カトリックメディア協議会)は第43回日本カトリック賞の受賞者が上記映画の信友直子監督に決定したと、2月21日に発表した。本作は、信友氏が認知症になった母親とそれを支える父親の姿を、娘の視点で描いたドキュメンタリー。6月には授賞式と上映会が行われる予定という。

舞台は広島県呉市。この街で生まれ育った「私」(信友氏)は18歳で大学進学のために上京し、以来40年近く東京暮らしを続けている。結婚もせず、ドキュメンタリー制作ディレクターとして仕事に没頭する中、45歳の時に、乳がんが見つかる。そんな私をユーモアたっぷりの愛情で支える母。母の助けで人生最大の危機を乗り越えた私は、父と母の記録を撮り始めるが、少しずつ母の変化に気付き始める。

87歳になる母に、認知症の症状が出始めていたのだ。母のために、95歳にして初めてリンゴの皮をむく父。私は仕事をとるか介護を取るかで迷うが、自分が介護をするという父の言葉に背中を押され、両親の記録を撮ることが自分の使命だと覚悟を決める。

2016年9月にテレビの情報番組で2週にわたって特集され、大反響を呼ぶ。さらに継続取材を行い、17年10月に別の番組で放送されると再放送を求める声が殺到したという。本作品は、さらなる追加取材と再編集を経た完全版である。受賞式・上映会は6月22日(土)午後1時より。なかのZERO大ホールで行われる。

なお、日本カトリック賞は、前々年の12月から前年11月までに公開された日本映画の中で、カトリックの精神に合致する普遍的なテーマを描いた優秀な映画作品の監督に送られる。1976年に創設され、これまでに『火垂るの墓』(88年)の高畑勲、『おくりびと』(08年)の滝田洋二郎監督が受賞している。また、2016年の第40回の賞は河瀬直美監督の『あん』が受賞。主演の樹木希林が出席して晴佐久神父との対談が話題となった。

主任司祭  松尾 貢


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