​なぜ、十字架をかざっているの?

アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

10月の終わりに、近くの鷺沼小学校2年生5名が教会に見えました。社会探検というわけで、鷺沼近辺の行きたい場所に先生や保護者と一緒にいくという毎年恒例の学校行事の一環のようです。

聖堂に入り、一番前のバンコに座って、最初に出た質問が、〈十字架〉についてでした。私たちは慣れっこになっているのですが、初めて教会に入った子にとっては、何故こんなものが中心に掛かっているのだろう、と不思議に思って当然かもしれません。

『フランシスコ教皇さまへ』という本の中でも、アフリカのジンバブエという国の10歳のダラディワナシ君がこんな質問を教皇様にしています。“教皇さま、なぜ、私たちは十字架をとても大切にするのですか?” 教皇様の答えは、次のとおりです。

 親愛なるタディワナシ

十字架を大切にし、ほめ讃えるのは、聖パウロが言うように、十字架が私たちの栄光だからです。イエスさまは、十字架の上で勝利し、悪と罪を打ち破りました。オリンピックのとき、勝者は高い段の上に乗って、美しいトロフィーをもらいますね。イエスさまの場合、十字架が、勝利のしるしとしてのトロフィーだったのです。十字架の上で死ぬことによって、イエスは死に打ち勝ちました、イエスさまは勝ったのです! 十字架は、この勝利のしるしです。だからこそ、私たちは十字架をとても大切にするのです。十字架は、私たちのほこりです。悪魔が十字架をこわがるのは、十字架によってたおされたからです。悪魔にとって十字架は、敗北のしるしなのです。

フランシスコ

まもなく、来日される教皇様が3泊4日の日本滞在の中で、どんなメッセージを私たち日本の信徒たちに残されるのでしょうか。〈すべての命を守るため〉が今回の訪日のテーマだそうですが、どんなことを特に指摘なさるのか、心に留めたいと思います。また来月には83歳になられる教皇様が、超ハードなスケジュールをつつがなく終えられて、バチカンに戻ることが出来ますように、お祈りしたいものです。

主任司祭 松尾 貢


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