鷺沼教会の地下ホールでフェアートレードのチョコレートが売られています。先日、毎日新聞の声欄に高校生から『公正な価格の取引を通じて、途上国の人びとの生活を支援するフェアートレード運動について最近知った』という投稿がありました。
上記の投書を読みながら、TVで観た「コーヒーハンター川島良彰」の番組と重なりました。株式会社ミカフェート社長の川島さんは生産者と協働で品質を向上させたコーヒーを、中間業者を通さず直接輸入し、輸送、保管、焙煎、すべての工程にこだわったコーヒーを提供しています。1999年フランス・レユニオン島にて絶滅したといわれた幻のコーヒー〈ブルボン ポワントゥ〉を発見。農家に栽培方法を指導し、同島のコーヒー産業を復活させました。同様な活動を中米でも行った後、この度、キューバのグアンタナモ州で19世紀にフランス人コーヒー生産者が作っていた〈ティピカ〉という、密林に埋もれ忘れ去られていた貴重な高品質の原木を発見。今後、貧しく職を失った農民に職を与えるためのブランドコーヒーとするための取り組みに励んでいるそうです。貧しい農民が麻薬栽培等に手を出すことなく、誇りを持ってコーヒー栽培に取り組み、経済的に自立するように取り組む川島さんの願いは、まさにフェアートレードの精神そのものだと思います。成人式をお祝いする今日、若者が夢のある活動にチャレンジしていってほしい、与えられた命とカリスマを大切にしていってほしいと願います。
主任司祭 松尾 貢