​調布教会報『SHALOM』2月号を読んで

アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

毎月、神奈川2地区やサレジオ会管轄の小教区から教会報が送られてきます。今月2月号には1月の成人の日の出席者の言葉や写真が各教会とも載せているのですが、調布教会の『シャローム』の写真を見て、びっくりしました。なんと調布教会の1月12日の新成人の祝日の写真には14名の青年が参列しているのです。鷺沼教会は名簿上13名でしたが、参列者は2人でした。例年だと4、5名の参列者ですから、今年は少し寂しいですね、と香部屋や受付で話していたのです。

調布と鷺沼の教会の規模はそんなに違いはないはずなのに、何故なんだろう? 調布教会の方に質問して謎が解けました。二つの要因があります。

一つは調布サレジオの大学生志願生の存在です。四日市志願院の土橋君(鷺沼教会出身)も今春から調布の大学生志願生になります。もう一つの大きな要因はベトナム人研修生の世話役の存在です。

実はサレジオ会日本管区では来日ベトナム人技能実習生・留学生が30万人近くまで増大している現状を前に、ベトナム管区に若い修道士の派遣を要請し、昨年、まず33歳のドー・フクハイ修道士が来日しました。彼は連日、各地のベトナム人信徒研修生を訪問したり、SNSで連絡を取り合ったりしながら週末に祈りの集いやレクレーションを企画しています。口コミやSNSで参加者が少しずつ増えているのです。その結果が、20歳のベトナム人男女の成人の祝いへの大勢の参加と相成った、というわけです。ベトナム人の若者がいれば、日本人の若者も参加しやすいという好循環が生まれます。

復活祭前には各地でベトナム人青年のための黙想会を企画し、その黙想指導とゆるしの秘跡のために数人のベトナム人司祭が短期出張という形で来日することになっています。まさに国際修道会だからできることといえます。また春山ミカエルラップ神父や武井アントニオ神父たちが、ベトナム人神学生と一緒に、これまで20年近くやってきた野尻湖でのベトナム人子弟の夏季キャンプなどの司牧活動の積み重ねの実りもあることでしょう。

研修生制度には多くの問題点が指摘され、ややブラック面な闇を抱えていることは事実です。しかし目の前に生身の人間が現に存在しています。その現実の中で、教会が、私たちが、何ができるのかが問われているのです。

主任司祭 松尾 貢


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