今日7月24日は『祖父母と高齢者のための世界祈願日』です。これは教皇フランシスコが昨年から制定されたもので、イエスの祖父母である聖ヨアキムと聖アンナの記念日に近い主日となっています。
教皇が「祖父母」と「高齢者」をあえて分けているのは、きっと私たちが自分の祖父母をとおして、高齢者を身近な存在と感じてほしいからではないでしょうか。
昨年のテーマは「わたしはいつもあなたとともにいる」というものでしたが、神と教会が身近な存在であることを伝え、また若者と高齢者との世代の親密さを強調するというものでした。
ちなみに今年のテーマは「白髪になってもなお実を結ぶ」というものですが、私はこの言葉を聞いたとき、ふと思い浮かんだ人物がいます。それは若宮正子さんという87歳のゲームアプリの開発者です。彼女は80歳を超えてからゲームアプリを独学で開発し、世界的企業Apple社から会議へ招待され、国連でスピーチするなど目を見張る活躍をされています。私は半年ほど前に彼女を紹介するTV番組を見て初めて知ったのですが、最近ACジャパンのCMにも出ているのでご存じの方も多いでしょう。
彼女はこのCMをとおして若者へエールを送っています。とても前向きな方でCMを見る人に元気を与えるような存在だと思います。そして彼女の言葉がまさに教皇のいう「白髪になってもなお実を結ぶ」という方法を私たちに教えてくれているように思います。
彼女のCMでのメッセージの言葉を聞くと「とにかくバッターボックスに立って、バットを振ってみようと思ったんです。そしたら、当たっちゃったんです」とか「本当に人生は分かりませんね。だから、自分の未来にフタをしちゃいけないと思いますね」など前向きなことばかり述べています。そしてナレーションの結びの言葉として「何歳からでも人は変われる」と言ったように、若宮正子さんの生き方をとおして、高齢者になっても“なお豊かに実を結ぶ”方法があって、それはまず「やってみること」、そして「自分から諦めないこと」の大切さを示してくれています。
鷺沼教会のご高齢の信者の皆さんも自分ができることがあったら、諦めないでぜひチャレンジしてみて下さい。教会でも活躍の場所はあります。そうすれば若宮正子さんのように、輝きを持って人に影響を与えることができるでしょう。そしてそのような生き方こそキリスト者としての大きな証しにもなるのではないでしょうか。
主任司祭 西本 裕二