最近、日本でもエコロジーの問題について、少しずつ関心が高まってきているように思います。例えばスーパーマーケットやコンビニなどの買い物の際、エコバッグを持参する人が増えています。これはある意味で環境に対する意識が定着しつつあるのではないでしょうか。

9月1日から10月4日のアシジの聖フランシスコの記念日までの約1ヶ月、日本のカトリック教会は、「すべての命を守るための月間」です。この期間、カトリック信者は、特にエコロジーの問題について考える時です。それは環境問題が命の問題とつながっているからです。温暖化や気候変動によって、大規模な災害や干ばつなどが起こり、多くの人の命や生活が奪われ、また食料や水不足、貧困問題などが生じています。

ここ最近でも、カナダやハワイのマウイ島などいくつかの国で史上最大の山火事が立て続けに起きて、甚大な被害を及ぼしました。

それに対して教皇フランシスコは、個人にも共同体にも「エコロジカルな回心」というものを求めています。それは私たちひとり一人、また教会としても環境問題に対する意識を大きく変えていく必要があるからです。つまり今の私たちの取り組みは十分ではないということです。
単にみんながやっているからとか、人から言われたからなど、受け身的に取り組むのではなく、神が人類に課せられた最大の使命として、真剣に取り組んでいかなければならないのではないでしょうか。

しかし、私たちがエコロジカルな回心をするためには、危機感を持つだけでは難しいでしょう。誰かが取り組んでいることに対して共感し、関心をもつことが必要だと思います。
ですから、私たちは信者としても、また教会としても、一緒にできるエコロジカルな取り組みを考え、そしてそれを実行していくことで、“すべての命を守るため”に、わずかでも貢献していけたら幸いではないでしょうか。

主任司祭 西本 裕二

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