教皇フランシスコは、5月23日にイタリア人のカルロ・アクティスさんをミレニアム世代の聖人として認め、列聖する見通しとなりました。生前に彼は「神のインフルエンサー」の異名を取りました。
それは彼がコンピューターの技術を駆使してカトリック信仰を拡散し、ご聖体の奇跡をまとめたウェブサイトを開設するなど実績を残したからです。
アクティスさんはイギリスのロンドンでイタリア人の両親の下に生まれ、後に一家でミラノに移りました。興味深いのが両親は信心深い人物ではなかったものの、幼児期に面倒を見てくれたポーランド人の乳母によって信仰心が養われたことです。
アクティスさんは、白血病と診断され、ドメニコ・サビオと同じ15歳という若さで亡くなりましたが、彼はコンピューターを使った貢献以外、ご聖体への深い信仰で知られ、彼の人生の中心的なテーマとなっていました。そのため彼はミサの前後に聖櫃の前で黙想する時間を取っていました。また彼はご聖体への深い信仰の表れとして「ご聖体は天国への高速道路(近道)」という言葉を残しています。
教皇フランシスコは、彼を普通の生活を送る人が聖性を高めるための模範とされました。それはアクティスさんのように、日常生活の中で自分ができることを神のために捧げ、そしてご聖体を大切にすることで聖人になれるということを証ししたからだと思います。
現代、日本ではインフルエンサー(インターネットやSNSなどで世間に大きな影響力を持つ人)といった職業に憧れる若者が増えているようです。そしてその理由が「有名になりたい」とか「お金を稼ぎたい」といったものが多いということです。しかし「人のためになるから」とか、「神のために活かしたい」といった思いでやろうとしている人は何人いるでしょうか。
一人でも多くの若者が、アクティスさんのように神のために自分の才能や能力を活かしてくれることを心から願っています。
参照『WEBサイトCNNニュース 15歳で逝った神のインフルエンサー』
『WEBサイトRINNEちゃんのアニメ半生 福者カルロ・アクティス』
『カトリック新聞6月16日号』
主任司祭 西本 裕二