家族

今年も数少ない長期連休が取れるお盆の時期、このタイミングで実家への帰省や親類の家に遊びに行かれた方が多かったと思います。ただ大変なのが毎年恒例の帰省ラッシュです。昨年から新型コロナ感染症による規制制限がほとんどなくなったこともあって、高速道路は渋滞が目立ち、新幹線や空の便もほぼ満席状態でした。それでも決まった日しか取れない方が大部分だったと思いますので、渋滞や混雑することが分かっていても利用せざるを得ないのが日本の休暇の現状かと思います。
そしてニュースなどを見ると、Uターンラッシュのピークで、ずっと運転して疲れて帰ってきたお父さんの姿や子供を抱えて汗だくで帰ってきたお母さんの姿などが映し出されていましたが〝本当にお疲れ様″と言いたいです。

このように苦労してでも出かけるのは、「家族サービス」の一環と言えるでしょう。
この家族サービスは、信徒の皆さんにとっても必要なことだと思います。
以前、勤めていた教会で毎週日曜日に教会に来て、いくつかの活動を担当して、積極的に奉仕していた婦人がいました。ある日、彼女から相談を受けて、「未信者のご主人から叱られた」というのです。その理由を聞いて見ると、「食事の準備もしないで教会に入り浸っている」からと言うことです。
確かにご主人の言い分も分かります。日曜日に家にいる未信者のご主人の食事の準備もしないで教会活動に専念するのは本末転倒です。なぜなら、まず身近な人への福音宣教が大事だからです。自分のご主人、自分の奥さん、自分の子供に奉仕して、教会の良さ、キリスト教の素晴らしさを証していかなければならないからです。ですから、そのためにも家族サービスが必要だと思います。食事の準備をしてから教会に来るとか、時には日曜日であっても、家族でお出かけすることも決して悪いことではありません。その代わりに小さな祈りをすれば良いでしょう。

私たちキリスト信者は、家庭生活と教会生活の両立をバランスもって行うことが神から求められているのではないでしょうか。新興宗教が社会問題になっている昨今ですから、教会活動に専念しすぎると、誤解を招きかねません。
ですから、キリスト信者として、家庭への奉仕を第一として、それから教会のために自分ができることで奉仕して頂ければ、教会にとってもありがたいと思います。

主任司祭 西本 裕二

LINEで送る

おすすめ記事