一致

キリスト教一致祈祷週間

昨日1月18日から25日まで「キリスト教一致祈祷週間」が行われます。キリスト教諸教会では、毎年この一週間、キリスト教一致のために共に祈ります。主な宗派は、カトリック教会を始め、プロテスタント教会、聖公会などですが、このようにキリスト教に宗派があって分かれているのは、キリスト教を求める人にとって、分かり難く、迷ってしまう点だと思います。だからこそお互いが一つになることを考えて、祈っていく必要があります。

キリスト教の歴史を振り返ってみますと、16世紀に宗教改革が起こり、カトリック教会とプロテスタントが二分しました。その要因はカトリック側からすれば、マルチン・ルターのカトリック教会への反抗、批判と言われていますが、ルターの宗教改革が広がったことからも、当時、封建制度によって、教皇と教会の権力が強まり、カトリック教会が腐敗したことやルターに対する不誠実な対応などにも要因があったように思います。
ですから、教会一致を考える上で、私たちカトリック信者は、自分たちの教会の歴史を振り返って、権威主義や世俗主義といった中で寛容さや謙虚さを失ってしまったことなどを常に反省する必要があるのではないでしょうか。それを反省し、原点に立ち返ることで教会は一致に近づくことができるからです。

教会のエキュメニズム(教会一致)に貢献したことから教皇フランシスコによって2019年に列聖されたヘンリー・ニューマンという人物がいました。彼は聖公会の司祭、神学者から、カトリック教会に改宗し、枢機卿にまでなった人物ですが、彼は宗教論争の時代を生き抜いた人物でもありました。彼の偉大で画期的な功績は、カトリックに惹かれ改宗したにもかかわらず、カトリック教会の問題点や間違いを指摘したことだと思います。その一つに聖公会においては、信徒の役割が重視されていたのに対して、カトリック教会における信徒の役割の低さと教育のなさに愕然としています。そこでニューマンは「教会は聖職者と信徒の共同体である」という信念から信徒に対する尊敬と理解、そして信徒に対する教育の重要性を説きました。このようにヘンリー・ニューマンは、カトリック教会が真に一つになること、そして間違いを改めて刷新していくことを願っていたと言えるでしょう。

イエスは父である神に向かって「すべての人を一つにしてください」(ヨハネ17.21-23)と祈りました。これはキリストを信じる人たちにも向けられています。ですから、私たちキリスト信者は、神の望むように一つになるために、先ずカトリックである私たちは、他の宗派の間違いを指摘するよりも、自分たちの過去の過ちや間違いを反省し、歩んでいかなければならないのではないでしょうか。

主任司祭 西本裕二

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