おもてなしの心

教会のおもてなしは福音宣教

今年の夏も旅行に出かけました。毎年、決まって東北地方に行っていますが、なるべく違った宿に泊まるようにしています。それは色んな雰囲気を体験したいからです。今回の旅行で一番印象に残ったのは、ホテルや旅館のスタッフです。それは規模にかかわらず、ほとんどの宿で外国人の雇用が多くなったことです。
宿の主人らしき人に尋ねたところ、コロナ禍の終息後は、客足が以前のように戻りつつあるそうですが、一方で従業員の人手不足が深刻化しているそうです。
そんな中で外国人の従業員は、宿にとって大変ありがたい存在だということです。私が宿泊した岩手のホテルでは、食事の給仕の際に働いていた従業員の9割ほどが外国人でした。
しかし外国人だからといって、給仕が下手だとか、言葉が通じないというわけではありませんでした。私が驚いたのは、もちろん宿の中で研修や指導を受けていると思いますが、日本語が上手なだけでなく、とても丁寧な言い回しで、しかもしっかりした接客をして、おもてなしも行き届いて、とても満足するものでした。外国人の方々に、何年勤めているかは聞けませんでしたけれども、あれだけしっかりした日本語を話すために、皆さんとても努力して、お客に喜んでもらおうと必死に頑張っているのではないかと思いました。私は今回の旅行で外国人の従業員のおもてなしが良かった宿に来年も訪れたいと思っています。

外国人従業員の接客の質がとても高くなったことは、教会の大事なおもてなしのあり方につながるのではないでしょうか。教会のおもてなしは福音宣教です。
信者の皆さんの中には、教会に人が集まるのは当然のように考えている方もいるでしょう。そうだとしたら良いおもてなしはできないと思います。都筑教会では、福音宣教委員が聖堂入口で、毎週当番制で、初めて来られた方などに声をかけ、お名前や住所などを聞き、聖堂の座席に案内してくれていますが、これは福音宣教委員の方だけでなく、すべての信者の務めです。「誰かがやるだろう」ではなく、初めて見かけたような方には、他の信者の皆さんも自分から積極的に声をかけて下さい。それが福音宣教の働きだからです。

頑張る姿、歓迎する姿は、相手に伝わると思います。ですから、みんなで一緒に協力して、教会に人を迎え入れるならば、私が宿で満足するおもてなしを受けて、来年も行ってみたいと思ったように、都筑教会にもまた行ってみたいと思うような気持ちになるのではないでしょうか。チャリティーバザーもいよいよ来週の日曜日となりました。福音宣教の大きなチャンスのときです。

主任司祭 西本 裕二