2023年9月2日碑文谷教会でサレジオ会の司祭叙階式がありました。そのとき叙階されたのは、サレジオ修道会所属のヤコブ森戸千尋神父でした。彼は都筑教会で働く私たちサレジオ会員と大きく違う点があります。それは、彼が宣教地で働いている司祭であるということです。森戸神父は、日本管区所属ではなく、最初からアフリカ東管区所属として叙階され、念願のアフリカ宣教司牧のために叙階後、イタリアで勉強ののち、サレジオ会から正式に派遣され、再び南スーダンに戻って今、宣教師として働いています。
彼は23歳のときに洗礼を受ける決心をし、碑文谷教会で受洗しました。それから数年、社会人として働いたそうですが、宣教ボランティアとして南スーダンに向かい、その後サレジオ会員になることを決心し、ケニアで修練準備期、タンザニアで修練期を経て、2014年に修道誓願を宣立し、サレジオ会員になりました。
森戸神父がアフリカという宣教地で司祭として働く志は、素晴らしいと思います。きっと彼は私たちよりも福音宣教への「熱意」というものを持っていると思います。自国から離れて、宣教師として働く司祭や修道者の多くは、同じように福音宣教への「熱意」があると思います
前教皇フランシスコは、2年前の一般謁見で「キリスト者は、キリストのように、特に自分たちから遠い人たちを見つめるよう招かれている」と言われました。
教皇の言われた「遠い人たち」とは、自分たちの側でない人、自分たちには属さない人、つまりあまり関わりがない人を指していると思います。現代の宣教師も言葉や文化の違いを持つ、まさにあまり関わりがない遠い人たちに福音をもたらしています。
今日は「宣教地召命促進の日」です。今、日本の横浜教区を考えても、韓国やベトナムなどいくつかの国から司祭たちが宣教師として日本に来て、小教区で頑張って働いています。彼らと話していると言葉や文化の違いを越えて、キリストを伝えたいという思いを感じます。
このように宣教地で働く司祭、修道者の皆さんのうちにある福音宣教への「熱意」は、福音をもたらす上で、とても重要なものだと言えます。
日本で働く私たちにも必要なものでしょう。それは福音を伝えることは、すべてのキリスト信者の使命であるからです。
この福音宣教への「熱意」は、神から招かれた喜びからくると思います。「神が自分を招いてくれている。だから神のために働きたい」という思いが熱意へ変わっていくのではないでしょうか。
「全世界に行って福音を宣べ伝えなさい」(マルコ16.15)。この言葉が今でも力をなしているのは、神が告げているからです。私たちは、福音宣教において、神が力を与え、導いてくださるということを信じて、自分が関わる人たちが「遠い人たち」でも「近い人たち」でも様々な違いを越えて、彼らに心を向けて、「熱意」をもって福音を伝えていくように致しましょう。
参照:WEBサレジオ会日本管区(2023.7.29ニュース)
主任司祭 西本 裕二

