ウェブサイトのカトリックジャパンニュースの中で、フランスで今年4月19日の復活徹夜祭に受洗した求道者がこれまでの記録を破る1万7800人以上となり、成人が1万384人、11歳から17歳までの青少年は7400人以上だという記事に目が留まりました。成人洗礼は急増し、前年2024年の人数より45%も増えています。これに対してフランスのリヨン教区の大司教が、「これは一過的な傾向ではなく、真にダイナミックな動きだ」と述べています。日本の教会からしますと羨ましいかぎりですが、近年ヨーロッパのカトリック信仰は、衰退していると言われていました。ミサへの参加者が減ったり、教会が閉鎖されたり、信仰から離れる人もいると聞いたことがあります。フランスも例外ではなく、減少傾向にありました。
それがなぜここ数年、フランスでは受洗者が増加しているのでしょうか。フランスのカトリック司教協議会の信仰告白・キリスト教生活同伴部局の全国担当者を務める方は、「不安を催させる社会的背景、たとえば新型コロナウィルス感染症の世界的流行や戦争は、疑いなく関係している」と指摘しています。そして、司牧ケア全国担当者を務める方は、「若者は、困難な状況を体験することで、神の存在について考えるようになる」とも言っています。
しかし、このようなことはフランスだけの問題ではないと思います。では何が違うのか。きっとそのような若者に対して、アプローチする人がちゃんといるからではないでしょうか。フランスにはカトリックのインフルエンサーやソーシャルワーカー的な存在がいるようです。つまり、きめ細やかに若者たちに対応しているということです。日本も同じようにアプローチする人がもっといるなら、もう少し若者が教会に集まるようになるのかもしれません。
ですから都筑教会においても、若者にアプローチする人が増えていかなければならないと思います。現在、榎本神父を担当司祭として、青少年司牧委員会の皆さんが若者たちのために様々な企画などをして一生懸命に取り組んでくださっています。けれども彼らだけに若者を任すのではなく、大人の信者の皆さん一人ひとりがもっと若者に関心を示し、自分のできることでアプローチしていくことが大事ではないでしょうか。「元気」とか「おはよう」などの声かけの一言でもいいと思います。誰にでもできることがあるはずです。それを一緒に考えながら都筑教会に若者が一人でも多く集まるように致しましょう。
参照:WEBサイト「カトリックジャパンニュース」
主任司祭 西本 裕二

