聖ヨゼフ

謙虚な心をもって、神に従う

3月19日は「聖ヨセフの記念日」であり、3月は「ヨセフの月」として、私たちは特別にヨセフを思い起こし、その生き方を考え、模範とし、取り次ぎを願うときです。
ではヨセフの生き方とは、どのようなものであったのでしょうか。聖書にはヨセフの記述はとても少なく、また彼が何かを話した記述もありません。彼の生き方が示されたごく少ないエピソードは、天使が夢に現れて言われたとおりにマリアを妻として迎え入れたこと、それとマリアとイエスを守るためにエジプトへ避難したことです。
このわずかな聖書の記述から読み取れるのは、ヨセフという人物の特徴の一つは、神の呼びかけにつねに「忠実」であったことだと思います。そのためヨセフは、「救いの忠実な協力者」と呼ばれています。
ヨセフは、神の救いのわざの成就において偉大な働きをしました。そして人間にとって、神の恵みに忠実に生きることがいかに大事なことかを彼は生き方をとおして私たちに示してくれたように思います。

それに比べて、私たちは、神の恵みに忠実に生きているでしょうか。イスラエルの王であったダビデやソロモンを思い起こしてください。ダビデは、神に選ばれ、愛され、イスラエルの王となり、つねに神に導かれていましたが、部下ウリヤをあえて戦場の激しい場所に派遣し死なせて、その妻を奪い、姦淫の罪を犯します。その結果、神を裏切ることになります。そしてソロモンは、神から王として民を治める知恵を恵みとして与えられ、それに忠実に生きていましたが、神から心が離れ、偶像礼拝するようになります。
彼ら二人は、ともに恵みを忘れ、過ちを犯し、不忠実になっていきます。つまり思いあがった心によって、彼らは神からの恵みを失いました。

恵みに忠実であることは、慎み深く考え、生きることです。うぬぼれて調子に乗らないことです。ヨセフのように常に謙虚な心をもって、神に従うことが大事です。
それを忘れたとき、私たちもダビデやソロモンのように、自分に与えられた様々な恵みを失ってしまうかもしれません。
ですからヨセフのように、つねに忠実な心で、神に仕え、生きていくことができるように、神にその力と助けを願ってまいりましょう。

             主任司祭 西本 裕二