10月の初め、中軽井沢のご聖体の宣教クララ会の黙想の家で横浜教区宣教司牧委員会主催「第八回教区懇談会」が開催されました。横浜教区の神奈川県(7地区)、静岡県(4地区)、山梨県(全県1地区)、長野県(4地区)から、梅村司教様を含めて60名が集まって1泊2日の会でした。テーマは「信徒のミニステリウム(奉仕職)」。
冒頭、導入の講話の中で梅村司教様は主に教会法の面から、信徒の奉仕職についての歴史的な経緯について説明なさいました。
1962~65年に開催された第2バチカン公会議をはさんで、信徒の役割は大きく変わったことは周知のとおりです。司教様のお話はとても明快で有益でしたので、少しまとめて紹介したいと思います。
昔(第2バチカン公会議以前)は、聖職者階級は上級品級(中国語からとった教会用語で、現在は叙階という)と下級品級とに分かれていました。上級品級は司教、司祭、助祭で、下級品級は剃髪式から始まり、門番、朗読者、祓魔師、持祭、副助祭の五つがありました。
1972年のパウロ六世教皇が発布された教令によって、「下級品級」という表現はなくなり、「奉仕職ministeria」、それを授与する式を任命式と呼ぶようなりました。同教令によって、門番、祓魔師、副助祭は廃止され、全教会における奉仕職は朗読奉仕者と祭壇奉仕者にまとめられました。これらの奉仕職に関しては司祭志願者だけではなく、男性信徒も永続的な奉仕職として任命されるとなりました。
では、女性の奉仕職についてはどうなっているのでしょうか。1983年に出された『新教会法典』20条2項に規定された典礼の任務への一時的任命は男性に限定されてはいません。女性の奉仕職については、典礼秘跡省指針『あがないの秘跡』(2004年)で次のように述べられています。
「少女や女性たちにも、教区司教の決定により、定められた規則を守って、このような祭壇奉仕を認めることができる」(47)
現在、司祭以外に「聖体授与の臨時の奉仕者」として、また司祭不在時の主日の集会祭儀の際の集会司式者として女性信徒が活躍しているのも、上記のような歴史的経緯があるのを知ることも大切なことだと思います。
主任司祭 松尾 貢
※ 続きはこちら >> 中軽井沢会議報告(2)