昨年12月10日、キャロライン・ケネディ駐日大使は被爆地・長崎を初めてご訪問。長崎原爆資料館を見学し、被爆者3人と懇談、浦上天主堂を訪れ、平和公園で「ハナミズキ」の植樹をされました。
この「ハナミズキ」は、日米友好の象徴とされてきたものです。それは、第二次大戦前の1912年、当時の東京市長だった尾崎行雄が日本から送った三千本のサクラの木の返礼として、当時のタフト大統領が日本へ贈ったことに起因します。また「ハナミズキ」は“平和”のシンボルでもあり、一青窈(ヒトトヨウ)の『ハナミズキ』という曲は、2001年9月11日に起きた米国同時多発テロを受けて、平和を祈念して作られた曲として知られています。
先日、フランシスコ教皇様は「人類は広島や長崎から何も学んでいない」と現状について警鐘を鳴らされました。人々がもっと平和を真摯に求める努力をするようにと促がされたわけです。被爆地長崎は、「Peace from NAGASAKI」をモットーとして戦後70年間過ごしてきました。今年帰天した本島等元長崎市長(カトリック)は平和運動故に右翼団体幹部から銃撃されました。被爆した永井隆医師もまたカトリック信徒として平和を求め続けました。彼の著書に、次のような記述があります。
「戦争は愚かなことだ。戦争に勝ち負けもない。あるのは滅びだけである。人間は戦争をするために生まれてきたのではなかった。平和を!永久平和を!」 (「花咲く丘」より)
「原爆は長崎でおしまい。長崎でピリオド。平和は長崎から!」(「平和の塔」より)
「日本をめぐる国際情勢次第では日本人の中から、憲法を改めて戦争放棄の条項を削れ、と叫ぶ声が出ないとも限らない。そして、その叫びがいかにももっともらしい理屈をつけて、世論を日本再武装にひきつけられるかもしれない。そのときこそ、誠一よ、カヤノよ、たとい最後の二人になっても、どんなののしりや暴力を受けても、きっぱり『戦争反対』を叫び続け、叫びとおしておくれ! たとい卑怯者とさげすまれ、裏切り者とたたかれても、『戦争絶対反対』の叫びを守っておくれ!!」 (「いとし子」より)
衆議院選挙日である今日、カトリック先輩信徒の平和への想いを汲んで、選挙に臨みたいものです。