8月14日から5日間、フランシスコ教皇は韓国を訪問なさった。韓国殉教者の列福式、アジア諸国の司教団との対話、アジア・ユースデーでの青年とのミサ、コットンネ(花の村)での障害者施設慰問、ソウル明洞カテドラルでの平和と和解のミサ等を通しての教皇様の言動に、韓国のメディアは「傷ついた韓国社会を癒やし、目覚めさせた教皇」、「世代を超越した“フランシスコ熱風”」といった見出しで報道し、論評していた。
18日の明洞カテドラルでの韓国最後のミサではマタイ18章21節からの<人のあやまちをゆるしなさい>という箇所が読まれた。説教の中で、教皇は次のようなお話をなさった。
- 60年以上にわたる朝鮮半島の分断と闘争の歴史を見つめながら、この朝鮮半島の家族に平和と和解の恵みを祈ろう
- 和解・一致・平和という恵みは、回心と別れがたく結びついている
- 回心とは心を変えることであり、それは私たちの生活、歴史を変えることができる
- 回心への招きは、韓国のキリスト者に正しく人間的な社会の構築にどのように貢献しているか、貧しい人々、疎外された人々、失業者、社会の繁栄から取り残された人々のために福音的な取り組みを果たしているかの自省を促す
- 回心への招きはまた、キリスト者として、韓国国民として、疑いや対立、競争に根差した考え方を固く退け、福音の教えと朝鮮民族の高貴な伝統的価値に培われた文化を推進するように招く
- 「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい」というマタイ18章21-22の言葉をイエスからの和解と平和のメッセージとして受けとめよう
- イエスは兄弟たちを際限なく赦しなさいと命じるだけではなく、それを可能にするための恵みも与えてくださる
ぎくしゃくした昨今の日韓関係の渦中にあって、私たち日本の少数派キリスト者は上記の教皇様の言葉を自分のものとしても受けとめ、回心の促しと捉えたいものです。
主任司祭 松尾 貢