アシジの聖フランシスコは1219年から20年にかけてシリア・エジプト巡礼を行いました。十字軍兵士の司牧とイスラム世界への福音宣教が目的でした。その縁もあって、1342年、教皇クレメンス6世はフランシスコ会に聖地の諸聖堂と巡礼者の保護を正式に委託します。そのころからフランシスコ会員はキリストの受難の信心の弘布と十字架の道行きを熱心に広めていきます。

イエズス会創立者イグナチオ・ロヨラも聖地に惹かれた聖人です。加賀乙彦著『高山右近』を読むと、下記のような描写が見られます。

「早朝イグナチオの霊操を行うのが右近の日課であった。備前の方から譲られた「スピリツアル修行」をテキストに、彼の聴罪師パードレ・モレホンの指導で、霊操を実践しているのだ。精進の甲斐あって秋口には心が自在に動いて、あの方の一生をまざまざと追体験できるようになった。ナザレトの貧しい生まれの人が教えを広めて回った地方、ガリラヤ湖やエルサレムの都を、自分がそこを実見してきたように思い浮かべることも可能になった。とくにモレホンが力を入れたのは十字架上のあの方の苦しみを、あたかもおのれが十字架に釘づけされたときのように手や足の激痛を覚えながら瞑想する行であった」

四旬節に入り、毎週金曜日の午前9時半から聖堂で十字架の道行きの信心業を行っています。フランシスコ会から始まり、カトリック世界に拡がっていったこの信心業を四旬節の間、実践なさるようお勧めいたします。聖堂入口にパンフレットが用意されています。個人でもよし、何人か組になってもよし、一度なさってみませんか。

お仕事などで参加できない方たちのために、今日4月3日(日)福田神父様の講話終了後(おそらく11時45分頃)十字架の道行きを行いたいと思います。ご参加ください。

主任司祭 松尾 貢
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