「19世紀、カトリック教会は労働者を失った。20世紀、若者を失っている」。これは前教皇ヨハネ・パウロ2世の言葉です。そして、青少年が教会にいない現実を憂慮した教皇が対策の一つとして打ち出したのが、WYD構想でした。

世界青年大会(World Youth Day)は、国連が1985年を「世界青年の年」と定めたことを受け、前年1984年「あがないの特別聖年」の閉会ミサで、教皇ヨハネ・パウロ二世が、青年たちにローマへと集うように呼びかけたことにはじまります。その後、毎年「受難の主日(枝の主日)」が「世界青年の日」と定められ、2~3年ごとに世界各地でWYDの世界大会が開催されることになりました。

この大会は世界中の若者がひとつになり、教会の本質であるキリストの受難と復活の神秘を味わうことと深く結びついています。ひとつの信仰を持つ青年たちが世界中から集い、出会いを喜ぶ祭典としての要素だけではなく、回心に始まり、キリストの受難と復活の神秘を祝う巡礼の旅でもあるのです。

また教会と社会にとってWYDは、若者に目を向け、将来を担う若者に信頼と希望を置くことの大切さを確認するきっかけになるのです。

先日開かれたサレジオ六教会主任司祭会議で、2011年8月16日からスペインのマドリッドで開催される世界青年大会に青年たちを送ろう、それも修道会としてではなく、日本司教団が主催する巡礼団に派遣することが確認されました。すでに8月20日から申し込みが始まっております。2011年の3月20日の締め切りまで、鷺沼教会としてもできるだけ多くの青年が参加するよう、経済的にも支援してまいりたいと思います。皆様のご理解とPR、ご協力をお願いします。

「この世の価値を取り入れ、今の時代を嘆くことはしない。良いものは特に青少年に喜ばれるなら、何でも受け入れる。”聖なる快活さのうちに主に仕えよう”」(サレジオ会会憲17条より)

主任司祭 松尾 貢
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